先日、同じ本を2度続けて読みました。というか、読まずにいられませんでした。
まぁ、それだけ興味をひかれてということもあったし、きっと、今の私にとって必要なことだからなんでしょうね。
説得の心理技術という本なんですけど、私の正直な思いとしては、説得という言葉に抵抗を感じながらも読まずにいられないタイトルだったんですね。
しかも、帯には悪用厳禁と書かれているし(笑)
この本の著者は、カルト教団で少年時代を過ごしています。
その後その教団を抜け出し、なぜ人は洗脳されるのかを研究するようになって、現在は説得術のエキスパートとして成功しています。
ですから、この本は心理学の本ではなく、営業を中心としたビジネス本です。
でも、人の心理というのは、どのような場面であっても似たような動きをするものなので、私はこういったところからもヒントをもらっています。
で、内容ですが、
子供を学校に行かせようと必死だった頃の私なら、少しずつこの本の方法を実践して、息子が学校に通えるかどうかを試していたと思えます。
じゃ、今使えないかというと決してそうではなくて、登校させる目的から別な目的に変わるだけで使える要素はたくさんありました。
ただ、説得という言葉は嫌ですね。
説得という言葉は、なんか一方的に言いくるめる、ちょっとダークなイメージを受けてしまうので、私なら『導く』の方がしっくり来るかな。
よりよい選択を与えて、良い方向へ導くという意味ね。
不登校の子供の親というのは、誰でもお子さんの見えない心を観察しながら過ごしています。
正直、わからないことも多いし、こうかな?と思うことが外れることも多いですよね。
学校に行かせたいと思うし、勉強させたいとも思う。
打ち込める何かを見つけて欲しいとも思うし、友達と遊んで欲しいとも思う。
すべては、母親の子供に良くなってほしいという思いであって、良くなる方向へ導いていきたいという母心だと私は思っています。
説得ではなく、子供をよりよい方向に導くためにすることとして生かすなら、という観点で書いていきますね。
カルト教団への誘導の仕方というのは、
1. 食事に誘う
2. 礼拝に誘う。そこで、教祖にまた来てねと言われる。
3. 礼拝に言った時に、祭壇の前で宣誓させられる。
だったそうです。
小さなステップで相手からの「イエス」を引き出す。次はさらに小さなステップでまた相手から「イエス」を引き出すという方法です。
いきなり教会に誘われていく人はいなくても、食事位なら害はない。そう思える人も多いのではないですか?
それと、見逃して欲しくないところがあります。
それは、「イエス」と言っているのが相手本人だということ。
自分が「イエス」と言ったなら、その約束を果たそうとするのが人間の心理で、人は自分の言ったことは守ろうとするものです。
例えば、あなたが友達と一緒に食事をしていて、
「ちょっとトイレに言ってくるから、バック見ててもらえる?」と言われたら、あなたは、
「うん。わかった。」と答えませんか?
頼まれたあなたは、「見ていなきゃ。」と責任を持って友達のバックをみているはずです。
本人に「イエス」と言わせるのは、それだけ本人の責任を促すことなんですね。
子供だって同じです。
いきなり学校に行かせるというのは、最初から祭壇の前で宣誓させるようなものかもしれません。
その子にとってのもっと小さなステップがあるはずで、そのステップはその子によっても違うものです。そのステップを考えるのはやっぱり母親がいいのかな。
それともう一つ。
1の食事に誘うに関連することですけど、あなたはどのような方に誘われたら食事に行きますか?
親近感がわく人、興味がある人、気になる人、自分と合いそうだなと思う人etc、そこにはあなたの相手に対する良い感情がありますよね?
相手の「イエス」を引き出す前には、お互いどれだけの関係性を築いているかが大切ということです。関係性がないところに「イエス」は存在しません。
こうして書くと当たり前のことのように思うんですけど、これができないものなんですよね。
不登校の子供を登校させる、勉強させるには、
- 関係性の構築
- 小さなステップで、何かを決断させる
- さらに小さなステップを積み重ねていく
も有効かなというヒントです。
こう書いたところで、きれいに事は運ばないことは、私も経験上わかっています。
ただ、振り返ってみてみると、このステップは正しいとも思えます。
息子が話せる関係性をつくる
↓
息子と進路のこと、勉強のことも話すようになる
↓
カテキョー君と勉強を始め、カテキョーくんに勧められて、代〇ミにも通うようになる
↓
大学受験のために自分で勉強するようになる
↓
結果を得るために努力するようになる
これが息子の流れでした。
人を出し抜いてやろうなどという気持ちでこの本の説得を使えば、それは悪用です。
でも、相手との関係性を継続する気持ちで接すれば、良い影響力を与えることもできます。
こうしてみてみると、カテキョーくんがしていたこともこのステップだと気付きます。
結局は、使う人の心の在り方であり、意志なんですね。
この本の中の些細な箇所をクローズアップしてお伝えしていますが、まだまだ私が気になるヒントはたくさんあります。
営業をされている方はおススメな一冊ですけど、私のように心理に興味がある母親の方もヒントが拾えるかも、な一冊です。
参考にした本は【説得の心理技術】(著者:デイブ・ラクハニ)でした。