印象的な一文が目に入りました。
それは、
『先生というのは生徒を切り捨てるのではなく、生徒の夢や希望を叶える手助けをするのが仕事』(※)
というもの。
これは、息子の通う予備校のテキストのコラム覧に書かれていたものです。
数学の才能がないのだから、早く文系に切り替えて勉強しなさい、このようなことを学校の先生に言われた薬学部を目指す高校3年生の女の子がいたそうです。
その女の子は、悩んで予備校の講師に手紙を書きました。
上記の言葉は、この手紙を受けた予備校の講師が、その先生の言葉に対し述べた所見です。
学校側から見れば、なるべく合格をさせてあげたいという気持ちの表れかもしれないし、学校や先生ご自身の実績という裏事情もあるのかもしれません。
でも、この予備校の講師は、
『その先生が彼女の人生を決める権利などないと思うのです。アドバイスは必要だと思います。でもそれはあくまで彼女の希望を叶えるためのアドバイスであるべきで、その先生からご覧になって才能がないからと、彼女の能力を否定するのは間違いです。』(※)
と言います。
つまり、
夢を捨てさせるアドバイスではなく、いかに数学ができるようになるかのアドバイスが仕事だと。
この文章を読み、その通りだなと思う一方で、私もやりがちなところがあるなと反省するところもありました。
受験生の息子を抱える母親の立場から考えると、学部変更をしてでも合格をした方が・・・という願いも正直あるもので。
これは私の正直な心。
でも、自分の気持ちは飲み込もうと思います。
この受験の選択は私の人生の選択ではなく、息子本人の人生での選択ですからね。
私の人生を振返れば、親に反対をされても意志を貫いてきた自分がいます。
じゃじゃ馬な娘を持った私の親は、大変だったろうなぁと自分が親になって思う次第。
その血を半分引き継いでいるのが息子ですから、きっと、自分の意志を優先したいはず。
まぁ、私が言ったところで、コロッと進路を変えることはないですけどね。
話を戻しますが、
生徒の夢や希望を叶えるのは手助けをするのは、先生に限ったことではなく、親をはじめ、全ての大人に言えることではないでしょうか?
私達親は、両親の持つ育児観に従って育てられてきました。
自分で意識しなくても、その習慣は身についているものです。
中には、親の育児が気に入らなくて、自分は別な育て方をしようと考える人もいるでしょうが、この場合は、親がしてきた育児というのものを分かっているということですよね。
親のいうことは聞きなさい。
親のいうことは正しい。
自分の思いを封じ込めてきた人こそ、同じことを我が子にもしてしまいがち。
それも知らず知らずに・・・
親として、一人の大人として、厳しいアドバイスが必要な時もあるということはわかります。
これも親の人生の選択ですね。
難しく見えても我が子の夢を応援するのか、自分の思いも伝えて、安全圏を提案をするのか。
どちらを選んでも、その人にとって良いと思えれば正しい選択です。
私なら、たとえ厳しく難しいと思えても、その子の夢を応援したい。
これは我が子だけではなく、子供たちみんなね。
夢を叶えるお手伝い、とてもいい言葉です。
夢を追う子供たちが増え夢を助ける大人たちも増えたらいいなと、このコラムを読んで妄想しました。
(※)山本俊郎の基礎→標準数学Ⅰ・A・Ⅱ・B 2015年 第1学期
代々木ゼミナール