不登校のブログを書いていると、不登校関連の情報も目に入ってくるし、優しくない言い方も目に入ってしまいます。
今回目に入ってきたのは、底辺という文字。
不登校だと、底辺高校、底辺大学にしか入れない、そして、社会的な地位も底辺になるというもの。
言葉とは難しい。
一つの言葉で相手を傷つけることもあるし、逆に、言葉を発しないことで、なめられてしまったり、大切なことを伝えられなかったりすることもあります。
底辺、少なくとも、不登校の子供達には伝えたくない言葉でした。
一般的に底辺と言われるような立場でも、その人の取り組む姿勢によっては、感動さえ与えられることがあります。
最近、本を出版したり、テレビにも出演している新津春子さんをご存知でしょうか?
新津さんは、羽田空港で働く清掃員です。
私は昨年、NHKオンデマンドで観て感動したのですが、それから一気に知れ渡るようになりましたね。
簡単に説明します。
新津さんは中国生まれの日本人です。
言葉が話せなくてもできるのが清掃の仕事で、それくらいしか職がなかったと言います。
言葉は悪いですが、一般的に底辺と言われる職業です。
しかし、新津さんは清掃員ではなく、職人として生きようと決めるのです。
空港の床は子供が座ったり、這ったりしますよね。
小さな子供たちが感染などを起こさないように、床は徹底してきれいでないといけない。
だから、清掃とはやさしさ。心を込めないときれいにできないと言います。
そして、心を込めて掃除をするようになって、『ご苦労様』と声をかけてもらえるようになり、清掃こそ私の居場所と誇りを持っているのです。
更には、
トイレがきれいで十分、空港がきれいで十分。自分の名前が出なくてもいい。あとはお客様の判断。
NHKオンデマンドのタイトルが、まさに、
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
~心を込めて、当たり前の日常を ビル清掃 新津春子~
なのですが、
新津さんが最後に言った言葉が印象的でした。
プロフェッショナルとは、目標を持って日々努力し、どんな仕事でも心を込めてできる人。
このような働き方ができる人が、人生での勝者だと私は思います。
不登校は底辺の高校、底辺の大学、社会的地位も底辺?
いろんな捉え方がありますから、そう考える人も多いのかもしれません。
でも、新津さんの仕事に向き合う姿勢を見れば、その子の向き合い方次第で底辺も何も関係ないのではと思えるのです。
人に影響を与え、感動をももたらすのは、その人の向き合う姿勢であり、信念であり、情熱なのです。
底辺と言われると、親である私達はドキッとしますが、そのような思いは振り払って欲しい。
このような言葉に振り回されないで欲しい。心ない言葉に傷つかないで欲しい。
まだまだこれからの子供たちです。
誰よりも愛情を注げるのは親であり、信じることができるのも親です。
子供が将来『人としての魅力』で勝負できるように、サポートしていこうではありませんか?